カラオケアフター

そして当日。

予定通り、遅くに入店することをメールで伝える。

『待ってま～す』

5分と経たないうちに返信のメールが入った。こんな些細なメールが来るだけでも、嬉しく気持ちは高ぶった。

自宅からその店へは電車で１時間ほど。駅に着いた時間は０時近くだったけど、ターミナル駅のせいもあり構内は乗降客でごったがえしていた。

人混みをかき分け、目的の場所へと急ぐ。幾多の誘惑にも負けず、お店に到着。彼女がいる場所へ繋がる階段を足早に降りた。

『こんばんわ、ひさしぶりですー』

少しも間をおかず、彼女が席に付く。久しぶりに会う彼女は、暗闇でも十二分にわかる満面の笑顔で自分を出迎えてくれた。彼女の為にドリンクを頼み、他愛も話や近況を報告しあう。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、セットの終わりに近づいたころ、彼女の口から予想もしていなかった言葉が発せられた。


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